恋は盲目!
シナリオ制作:水面
イラスト提供:ハセ
内容にはシナリオのネタバレが含まれておりますのでご注意ください。
イラスト提供:ハセ
内容にはシナリオのネタバレが含まれておりますのでご注意ください。
概要
あらすじ
救世主たちが再び訪れた村の様子は、なにやらおかしいものでした。村人たちはやたらといちゃいちゃしていたり、一方的に泣きついたり、物陰でひとり沈んでいたりと、こぞってみんな情緒がどうかしているようなのです。
1人の青年が救世主たちに話しかけます。3人の男女にまとわりつかれながら。
「酷い有様でしょう? これは全部、亡者『ラビングラビット』の毒のせいなんです。どうか倒していただけませんか」
その問いに答える間もなく、救世主たちも亡者の毒に掛かり――。
1人の青年が救世主たちに話しかけます。3人の男女にまとわりつかれながら。
「酷い有様でしょう? これは全部、亡者『ラビングラビット』の毒のせいなんです。どうか倒していただけませんか」
その問いに答える間もなく、救世主たちも亡者の毒に掛かり――。
傾向
このシナリオは、六ペンス10枚(脅威度1)のPC3人用、協力傾向のシナリオです。既存PCでも新規PCでも可です。PCたちは既にある程度堕落の国で過ごしている前提で進みます。それ以外の条件で遊ぶ場合、六ペンスの枚数と脅威度をPCの平均(切り上げ)に合わせ、配下と所持小道具の数を調整してください。
MODの適用
このシナリオでは、以下のMODを適用します。
心の疵MOD『心の性感帯』
このサプリで新たに追加されたMODです。詳細は 追加データ をご覧ください。
心の疵のうち1つは心の性感帯となります。GMはセッション開始前に各PCの心の性感帯を確認してください。
心の疵のうち1つは心の性感帯となります。GMはセッション開始前に各PCの心の性感帯を確認してください。
進行
プロローグ
1. 混乱した村
描写
救世主たちがこの村に訪れるのは二回目です。以前訪れたときは、静かで長閑な様子でした。一仕事を終えての復路、再び名も無き村に訪れました。
しかし、訪れた村の様子はなにやらおかしいものでした。
村人たちはやたらといちゃいちゃしていたり、一方的に泣きついたり、物陰でひとり沈んでいたりと、こぞってみんな情緒がどうかしているようなのです。
しかし、訪れた村の様子はなにやらおかしいものでした。
村人たちはやたらといちゃいちゃしていたり、一方的に泣きついたり、物陰でひとり沈んでいたりと、こぞってみんな情緒がどうかしているようなのです。
1人の青年があなたがたに話しかけます――3人の男女にまとわりつかれながら。
「酷い有様でしょう? これは全部、亡者『ラビング・ラビット』の毒のせいなんです。どうか倒していただけませんか」
「出たっ、亡者だ……!」
突然あなたがたに桃色の霧が降りかかります。現れた兎型の亡者による不意打ちです。亡者はそのままたたみかけるようにあなたがたへ襲いかかりますが、「救世主様ッ!!」――と、話しかけてきた青年が身を呈して盾になります。
「救世主様――好きだッ!」
深く傷つきながら、青年はあなたへの恋を叫びます。
亡者は毒の吐息が効いていないとみるや、すぐにその場を立ち去ります。
2. 恋の予感
「救世主様、どうか、口づけを……いや、あの亡者を倒してください」
青年は息絶え絶えに伝えます。大怪我をしていますが、先ほどまで纏わり付いていた末裔がせっせと手当をしていて、どうにか大丈夫そうではあります。
「救世主様は残念ながら、いや、幸い……あの毒に支配されきってはいないご様子」
確かにあなたがたは、目の前で末裔が繰り広げているような状態にまでは陥っていません。しかし何か胸に高まるような感覚、あるいは心をきゅっと締め付けるような感覚、特に理由なくため息をついてしまうような感覚――そう、恋の予感がしてなりません。
「このままでは村が壊滅してしまいます。恐らく、この毒はあの亡者を倒せばどうにかなるはず……。救世主様、どうか、強く抱擁しても……いや、あの亡者を倒してくださいませんか」
村のことはともかく、あの毒は確かにあなたがたを冒しています。このままほっといていてはきっと大変なことになってしまうに違いありません。
あなたがたは、あの亡者を倒すことにしました。
青年は息絶え絶えに伝えます。大怪我をしていますが、先ほどまで纏わり付いていた末裔がせっせと手当をしていて、どうにか大丈夫そうではあります。
「救世主様は残念ながら、いや、幸い……あの毒に支配されきってはいないご様子」
確かにあなたがたは、目の前で末裔が繰り広げているような状態にまでは陥っていません。しかし何か胸に高まるような感覚、あるいは心をきゅっと締め付けるような感覚、特に理由なくため息をついてしまうような感覚――そう、恋の予感がしてなりません。
「このままでは村が壊滅してしまいます。恐らく、この毒はあの亡者を倒せばどうにかなるはず……。救世主様、どうか、強く抱擁しても……いや、あの亡者を倒してくださいませんか」
村のことはともかく、あの毒は確かにあなたがたを冒しています。このままほっといていてはきっと大変なことになってしまうに違いありません。
あなたがたは、あの亡者を倒すことにしました。
お茶会
進め方
毒をそのままにしてはおけません。ラビング・ラビットを倒す必要があります。そのための準備をしましょう。お茶会に入るとともに、ラビング・ラビットのPKシートを公開してください。
シーン表
以下のシナリオ専用名もなき村シーン表を使います。
1D12 | 描写 |
---|---|
1 | 村の入り口。粗末ながら見張り台が立っており、村の内外を見渡せる。 |
2 | 大通り。村人たちが公然とイチャイチャしていて居心地が悪い。 |
3 | 万屋。日用品や雑貨、食料、服など。店主が熱いまなざしでこちらを見ている。 |
4 | 空き家。村に宿はなく、宿泊希望の旅人はこの家の一室に案内される。 |
5 | 酒場。汚水同然の酒と軽食の店。周囲の客は酒と恋に溺れている。 |
6 | 廃教会。今は誰にも使われておらず、何が信仰されていたのかは分からない。 |
7 | 集会所。村人の気配はない。集って会議を行える状況ではないのだ。 |
8 | 馬小屋。枯れ草が敷かれている。片隅には馬にしなだれかかる村人がいる。 |
9 | 風車小屋。石造りの室内で歯車だけがごとごとと音を立てている。 |
10 | 塀。村をぐるりと囲む盛り土の壁で、上を歩くこともできる。しかしあの亡者の脚力なら、軽々と飛び越えられてしまうだろう。 |
11 | 貯蔵庫。地下に作られてひんやりしている。今にも底をつきそうだ。 |
12 | 村はずれ。整備されていない道が続いている。 |
PCの疵の抉り方
毒の吐息を吐きかけましょう。恋の毒だけではなく精神に作用する毒であり、心の疵につながる幻覚を相手に見せます。
心の疵『淡い恋の端っこ』
PKの疵を抉る際は、こちらを先に抉ってもらうようにしてください。成功したら、混乱を極める村の中で、亡者『ラビング・ラビット』が現れた理由を知る村人を見つけだしてもらいましょう。村人は救世主らを見ると、積極的に話しかけてきます。もし抉られなかった場合は、エピローグに開示しても構いません。
村人の話
「『リサ』という娘を知っているかい」
行商をしている村人はそうあなたがたに訊ねますが、誰の耳にも覚えはありません。
リサは兎耳の末裔の娘です。先日、行商の馬車に乗せてもらい、村から出て行ったのですが、その馬車ごと亡者に襲われてしまいました。その商人は命からがら逃げ延びてきたのですが、リサは死に絶えて、亡者に成り果ててしまいました。
「リサは多分……あんたらを追っかけていたんだ。あんたらが、この村を出てった後でね」
「危ないって言って止めたんだがね。まるであんたら以外になにも見えちゃいないみたいでね……」
行商をしている村人はそうあなたがたに訊ねますが、誰の耳にも覚えはありません。
リサは兎耳の末裔の娘です。先日、行商の馬車に乗せてもらい、村から出て行ったのですが、その馬車ごと亡者に襲われてしまいました。その商人は命からがら逃げ延びてきたのですが、リサは死に絶えて、亡者に成り果ててしまいました。
「リサは多分……あんたらを追っかけていたんだ。あんたらが、この村を出てった後でね」
「危ないって言って止めたんだがね。まるであんたら以外になにも見えちゃいないみたいでね……」
村人が話し終えると、ラビング・ラビットが現れます。
ラビング・ラビットは救世主たちのうち、一人をじっと見つめています。ここで、ラビング・ラビットが状態『○○への恋心』を持っていることを開示してください。もし必要だと感じた場合、この行動を、ラビング・ラビットが恋している救世主がしたことにしても構いません。
たった一言、ラビング・ラビットが恋する救世主が名前を呼ぶだけで、この心の疵は抉れるでしょう。
裁判
進め方
PCたちが頃合いだと思ったら、ラビング・ラビットを迎え撃っても構いません。あるいは意を決したラビング・ラビットがPCたちに襲いかかってきます。
PKの行動指針
『祝福』で与えるダメージを上げて、『かんしゃく』+『女王命令』で大ダメージを狙う亡者です。ダメージを受けたときには『ドリンクミー(愛毒)』『眠り鼠』で《猛毒》《封印》の不調を与えることができます。これら不調がトリガーとなる『コーカスレース』で、更に追い詰めていきましょう。『コーカスレース』の対象が全体(自身や配下も含む)である点、1ラウンドに1回しか使えない点には注意が必要です。
ファンブル表
裁判でファンブルした場合、通常のファンブル表の代わりに以下の専用ファンブル表を使用してください。
1D6 | 詳細 |
---|---|
1 | 恋心が暴走。心の性感帯の心の疵を悪化させる。条件を満たした場合は〈発狂〉する。既に〈発狂〉している場合は即座に亡者化(=ロスト)する。プレイヤーはGMにキャラクターシートを渡すこと。 |
2 | うっかり見蕩れて……?「〔ランダムなPC〕への恋心」が付与される。 |
3 | 勘違いから生まれる恋。ランダムなPCに「〔自身〕への恋心」を付与する。 |
4 | 唐突に恋が冷める。恋心を喪失する。 |
5 | 恋が逸り何も手がつかない。即座に手札をすべて捨てる。 |
6 | 恋は盲目! よそ見をしてて怪我をした。HPが1D6点減少する。 |
エピローグ
勝利した場合
ラビング・ラビットの心臓が破れ、倒れます。しかし再び立ちあがり、PCの方へ近づいてきます。PCは不思議と、その亡者に害意がないことがわかります。力なく歩み寄り、恋するPCの前に立ちます。言葉を発することのない口を動かし、そして倒れます。
毒は解かれて、村は元通り――ではありません。恋心は、毒がなくなっても消え去りません。この村が元の静けさを取り戻すには、まだしばらく。かかるでしょう。
PCたちの毒もまた同様です。毒が解消されたのは確かですが、芽生えた恋心は消え去らないでしょう。
毒は解かれて、村は元通り――ではありません。恋心は、毒がなくなっても消え去りません。この村が元の静けさを取り戻すには、まだしばらく。かかるでしょう。
PCたちの毒もまた同様です。毒が解消されたのは確かですが、芽生えた恋心は消え去らないでしょう。
全滅した場合
ラビング・ラビットが求めているのは一人だけ、恋している救世主だけです。口腔からありったけの毒を注ぎ込み、恋するPCを発狂、亡者化させ、そしてラビング・ラビットへの恋心を抱かせます。
愛し合う二体の亡者は姿を消します。村も他のPCも残されます。もちろん、恋の毒が解除されることもありません。
愛し合う二体の亡者は姿を消します。村も他のPCも残されます。もちろん、恋の毒が解除されることもありません。
PK『ラビング・ラビット』
キャラクターシート
ラビング・ラビットは白兎の亡者です。大きな目を一つだけ持ち、一つのものしか見えません。胸に収まらない巨大な心臓は香水瓶のように恋の毒を吹き出し、白い毛皮のところどころがケバケバしいピンクに染まっています。
演出例
発達した脚が足場の岩を踏み砕きながら、すさまじい勢いで距離を詰める。
神経を痺れさせる毒の霧を吐き出す。むせかえるほどの甘い匂いと、桃色の煙幕。
立ちこめた毒霧を引き裂いて飛びかかる。くぐり抜けた毒霧がハートを象った。
激しく地団駄を踏む。地面を揺るがし、立っているので精一杯だ。
状態『○○への恋心』
ラビング・ラビットは、PCの一人に恋心を抱いています。誰に恋しているかは、GMが任意のタイミングで決めてください。ダイスで決めても良いでしょう。これにより、心の疵『淡い恋の端っこ』が抉られているとき、恋しているPCから受けるダメージが1点増加します。
データのカスタマイズ
PKデータを元に、自由にカスタマイズして構いません。
カスタマイズ例
イカサマ『白兎の導き』を『胡椒の雲』に置き換える(より厳しい裁判を展開したい場合)
『かんしゃく』を『精確』に置き換える(ダメージよりも成功率を重視したい場合)
カットイン
本シナリオのプレイ及びリプレイ作品(Dead or Aliceのプレイ風景を再現する読み物や動画作品など)にのみ利用することができます。